◎二足のわらじを履くときに。

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(Impact HUB Tokyoの外壁の写真)

 

今日(1125火)、アラサー・カップルがご夫婦で訪ねてきてくれたので、ランチをしつつお互いの近況報告など。で、二足のわらじを履く場合、どんなことに気をつけたらいいか、と質問を受けた。その場で答えはしたものの、要するにこの4つが大事だな、と整理できたのでまとめてみた。二足目のわらじに限らず、アラサー世代のシゴト全般にいえることかも、という気もする。あくまでもサンプルのひとつに過ぎませんが、参考になる部分があれば幸い。

 

1)大義と私事、目的と覚悟 ※超大事※
2)自分のなかで“守るべきもの(失いたくないもの)”を決める ※超大事※
3)家族の応援体制を取り付ける ※軽視すべからず※
4)全力でコミットメントして、成果を出す ※説明の余地なし・笑※

 

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1)大義と私事、目的と覚悟
大義は説明の必要もないだろう。「やりがい」といってしまうと矮小化されるけど、そもそも大義を感じないのであれば、やめたほうがいい。でも、大義だけあってもダメで、自分都合の、自分なりの意味や、目的を明確に持つことはとても大事だと思っている。谷底では、大義だけでは踏ん張りがきかないから。

フローレンスに出会ったとき、いや正確には、その創業者である駒崎と突っ込んだ話をする機会があったとき、これは自分のやるべきシゴトだと確信を持てたし、それが自分の「この先の道」をつくるシゴトになるという確信もあった。もちろん、当時は全然NPOブームなんて来てなかったけど、この確信こそが、わたしにとっての「私事の目的」だった。

逆にいうと、当時の私は「いまの道」の延長線上には行き詰まりを感じていた。2003年当時の自分の言葉で言えば、「世界で一番壊れない精巧なクルマ」である日本車が、4年に一度のフルモデルチェンジ(当時)で次々に新車に乗り換えられるライフスタイルへの強烈な違和感であり(自動車メーカーの仕事をたくさんしていました)、自動車に限らず「少種大量生産」の時代から「多種少量生産」の時代になるはずだという確信と、そんな大きな産業構造の転換期のなかにあって、自分に出来ることの小ささへの絶望のようなものを抱えていた。典型的なアラサークライシス。笑

唯一、自分を支えていたものは、社会において「伝えること」は役に立つ、という信頼だけだった。広告とか広報とかプロモーションとか、細かい話はおいといて、人生を掛けて何かしらを“つくった”人が「届けたいモノやサービスや情報」があって、それらに出会ったらしあわせになれる人がいるのならば、それを繋ぐ「コミュニケーション」は、世のなかの役に立つ価値ある仕事だ、という信頼だけ。

果たして、フローレンスにジョインすると決めた時、私は明確に自分がすべき「シゴト」だと思っていた。つまり、ボランティアで「お手伝い」をする気持ちは、さらさらない。しかし、いまの時点でFeeを要求するつもりもない。自分のFeeくらいは軽く支払えるくらいにフローレンスの成長に貢献することが私のシゴトであり、それが出来ないのではあれば、自分は無価値なのだから。そう考えたことをいまも明確に覚えている。

これは私の覚悟だったし、「私事」としての目的を持ちつつジョインさせてもらう新参者として、駒崎や、すでにいるチームメンバーへのわたしなりの仁義だった。

大義だけじゃだめ。自分都合の目的を明確に持つべき。そして、そのような目的を持って参画させてもらう仁義として、覚悟を決める。このコンボがあれば、だいたいうまくいくんじゃないかな。

 

2)自分のなかで“守るべきもの(失いたくないもの)”を決める
二足のわらじは楽ではない。物理的に時間は24時間しかないんだし、大抵、なにかを始めるときには初期的に多めのエネルギーを必要とするわけで、たとえフルコミットメントであっても、時間はいくらあっても足りないと感じるもの。

そんななか、自分が守りたいものを、本音ベースで自覚しておき、そこは死守する体制を構築する。で、それ以外のすべてを投入するイメージ。だからこそ、この聖域を決めることは大事。

わたしの場合は、年収だった(当時のライフステージは、既婚・子なし)。フローレンスに無償でコミットメントする、ということは、時間確保と同時に、本業での年収を維持する必要があった。そこで、8割の時間をフローレンスに投入して、2割の時間を本業に費やし、前年比8割の年収をキープする働き方を標榜。具体的なソリューションはまだ思いついていなかったけど、自分の理想的な姿として、そういうワークスタイルをしたいのだ!と決めた。結果的に、理想的な形で条件のいいシゴトが舞い込む幸運に恵まれて、聖域は守られた。

どんなに大義があっても、自分都合の目的があっても、ハードであることは事実。そこで心折れずに踏ん張るためには、一定の年収をキープすることが自分の精神衛生上、必要不可欠だという理解を、自分自身がしておくことは重要だったように思う。それがパートナーやこどもとの時間の人もいるだろう(いまの自分であれば、こどもとの時間を死守する)。何でもいいから、自分が“失いたくないもの”を自覚して、そこを死守するための解決策を講じること。これも大事。

 

3)家族の応援体制を取り付ける
事後承諾でもいいけど、自分がしたいことが共有されていることは必須だし、やっぱり応援してもらえる状態が望ましい。たとえば、休日の時間が二足目のわらじのために供出されることもあるだろう。そんなときに、応援してもらえるかどうかは、成果に直結する。

わたしの場合は、フローレンスに参画することは夫にけしかけられたフシもあり(笑、応援体制に心配はなかった。あとは、楽しそうに挑戦を報告し、見ている世界を共有することは心掛けた。状況のアップデートによって、応援する気持ちもアップデートしてもらおう!笑

 

4)全力でコミットメントして、成果を出す
あとは、やるだけ!